分譲マンション内騒音の測定法~騒音計の選び方・使い方

入居したばかりの分譲マンションで騒音問題が発生した場合、相手に直接苦情を言うにせよ、管理会社に相談するにせよ、あるいは裁判で争うにせよ、実際にどの程度の騒音が発生しているかを明確にしておく必要があります。

単に「ストレスになる音」「寝られないほどの音」といっても、その種類は様々です。
騒音を客観的に証明するにはその騒音を適切に計測しなければなりません。

この記事では、分譲マンションの上の階や隣から聞こえてくる騒音の計測法について詳しく解説していきます。

騒音とは何か?定義の難しさ

まず、改めて「騒音」とは何なのかについてに考えてみましょう。

一般には、不快で好ましくない音のことを「騒音」と呼びます。

とはいえ・・・何を不快で好ましくないととらえるのかには個人差があります。

また、同じ人であっても、その時の体調や気分、環境によってそれを聞いた時に不快に感じることありますし、不快に感じないこともあり得ます。

一例ですが、コンサート会場では楽しめるハードロック音楽も、勉強している時に隣から流れてきた時には「騒音」に感じられるでしょう。

また、食卓の席では気にならない人々のおしゃべりも、寝ようとしている時に聞こえてきたら、「騒音」になり得ます。

このように、非常に主観的な面がある騒音を可能な限り客観的にとらえるのが騒音測定です

騒音の単位と騒音計

音を測る単位には、「パスカル」「デシベル」があります。

なぜ2つも単位が存在するのでしょうか?

音の大きさは、「音圧」と呼ばれ、これを数値化したものの単位がパスカル(Pa)です。

そして、人が聞くことのできる音圧は20 μPaから200 Paにまで及びます。
これではあまりに幅広く、使い勝手が悪いため、桁数を抑えて感覚的に分かり易い数値にするためにデシベル(dB)という単位が採用されました。

人間の聴力限界値20 μPaを0デシベル(dB)として、騒音レベルを表します。

つまり、パスカルは「物理的な量」、そしてデシベルは人の「感覚的な量」というわけです。

騒音計の仕組みと2つの測定手段

騒音レベルを測るためには「騒音計」という機器が必要となります。
騒音計は、集音用のマイクロフォンを搭載しており、数値をdB(デシベル)で表します。

では、どのように騒音計を手に入れるかですが、騒音の測り方によって変わってきます。

マンション内から聞こえてくる騒音を測定するには大きく分けて2つの手段が考えられます。

  • 業者に依頼してマンション内騒音を測定する場合
  • 自分自身でマンション内騒音を測定する場合

業者に依頼してマンション内騒音を測定する

騒音測定をサービスとして提供している業者に頼んでプロに騒音を測定してもらうことが出来ます。

サービス内容は業者にもよりますが、機器の貸し出しと測定、測定値の解析に報告書の作成などが含まれます。

業者によっては、高機能の騒音計を一定期間貸し出して、計測は依頼者が行う低価格プランも提供しています。

業者に騒音測定を依頼するメリットは、高機能騒音計を貸し出してもらえることです。
騒音計はそう何度も使用するものではありませんから、個人が購入するよりも、プロが使用する高機能機器をレンタルしてもらった方が良いでしょう。

また、騒音の計測というのは、単に測ればよいものではありません。

法廷での証拠として提出できるような測定結果が必要な場合は特に、専門家による測定代行を受けられる、あるいは測定に関するアドバイスを得られるという大きなメリットがあります。

業者に騒音測定を依頼するデメリットは、騒音計の貸し出しや実際の測定を依頼することで、業者にもよりますが5万円以上の費用が発生することです。

「業者に依頼することに興味はあるが、実際にお金を出すほどの価値があるのか」疑問に思う方は、測定サービスの多くが事前に見積もりを無料で行っているので、まずは相談してみてはどうでしょうか。

自分自身でマンション内騒音を測定する

では、自分で騒音を計測する場合にどうすればよいのでしょうか?

1.騒音計を手に入れる

騒音計はAmazonや楽天市場などの大手通販サイトで簡単に手に入ります。

ただし、その機能はピンキリですので、「安ければ安いほどいい」という基準で購入してしまうと、あとで使い物にならないことがわかってガッカリ・・・ということにもなりません。

最低でも以下の条件にあった騒音計を手に入れるようにしてください。

  • 長時間の測定が可能であるもの(測定結果を記録できるものが望ましい)
  • 手持ちで計測するのではなく、三脚などに固定できるもの。

まず、なぜ瞬間的な騒音を拾うのではダメなのかについて、です。

マンションの住人による騒音のほどんどはエアコンの室外機の音など例外はありますが、常時聞こえるものではありません。

バタバタ走り回る足音や子どもの叫び声などは、「あっ!音がしてきた。よし計測しよう」と騒音計を取り出したら、それ以降はシーンと静まり返っていたということもあり得ますよね。

また、騒音を解決してもらう際には、その騒音がどの時間帯にどれくらいの頻度で繰り返されるのかを示が必要もあります。

ですので、計測する際には、騒音計を一定期間(最低でも数時間)作動させておくようにしてください。

次に、騒音計の形態ですが、なぜ手持ちではダメなのかというと、騒音計を何時間も手に持って測るのはどう考えても無理だからです。
実際に測ってみた人の体験談に、

手が疲れてうっかり騒音計を振り動かしてしまったら、それが騒音として計測された

というものもあります。

そして、騒音計は、人が騒音を聞く耳の高さに設置しなければ意味がありません。
(床や天井に固定するのでは非現実的な測定値になってしまいます。)

ですので、人が立ったり座ったりしている位置、1.2~1.5mに三脚などで固定できるような形態のものを選びましょう。

ちなみに、騒音計は、購入しなくても、一日数百円で業者から貸し出してもらうことができます。

また、役所から無料で貸し出してもらうことも可能ですので、地元の区役所や市役所に問い合わせてみてもよいでしょう。

2.騒音計を使って証拠となるように測定する

騒音計を手に入れたら、前述のように測定法にも注意してください。

  • 1.2~1.5mの位置に三脚などで固定
  • 長時間にわたって計測の記録を取る

騒音計の位置ですが、もし寝ている時に騒音が聞こえてくるのであれば、布団やベッドに横になっている位置に設置した方がよいでしょう。

また、騒音計自体で長時間の記録が取れない場合、作動している騒音計を他の動画撮影機材で撮影する、というのも一つの方法です。

裁判で確実に使える証拠を手に入れるためには、無料相談などで経験のある弁護士に事前にアドバイスを受けることもお勧めします。

まとめ

マンションでの騒音を測るためには、騒音計が必要となるだけでなく、適切なやり方で計測しなければなりません。

証拠として確実に効果のある測定結果を手にしたいのであれば、専門業者に依頼するのがもっとも安心でしょう。