騒音トラブル!訴えた場合の裁判費用はいくら?

ご近所との騒音トラブルが解決せず、「裁判を起こすしかない」となった場合、まず気になるのが裁判費用でしょう。

この記事では、騒音に関する裁判を起こした場合にかかる費用について詳しく解説していきます。

民事訴訟にも種類がある~少額訴訟と通常訴訟の違い

騒音で裁判を起こす場合、個人間のトラブルなのでそれは当然ながら民事訴訟となります。
実際には民事訴訟にもいくつか種類があり、該当するのは「少額訴訟」「通常訴訟」のいずれかになります。
どちらを選択するかによって裁判の流れも費用も変わってきます。

では、騒音裁判では「少額訴訟」と「通常訴訟」のどちらを選ぶべきなのでしょうか?

まずはふたつの違いを簡単に説明しましょう。

少額訴訟とは?

少額訴訟は、文字通り少額(60万円以下)の金銭の支払い請求を争う裁判制度です。
お金の支払い以外は扱うことはできません。

つまり騒音問題で訴えを起こす場合、60万円以下の慰謝料しか求められないことになります。

簡易的な裁判なので、原則として1日で審理が終了します。
弁護士を立てる必要もないために、通常訴訴訟と比較すると訴訟費用が安価で済みます。

通常訴訟とは?

通常訴訟は、請求する金額に限度はありません。
そして金銭の支払い以外にも騒音の差し止めといった請求も扱えます。

通常訴訟は一日で解決するものではなく、時間をかけてでも徹底的に行います。
確実に解決するためには弁護士を利用することも必要不可欠となります。

騒音の裁判には少額訴訟・通常訴訟のどちらを利用するべきか?

ここまで読まれてきてお分かりと思いますが、騒音問題を裁判で争うのであれば、通常訴訟が適切な裁判方法となります。

少額訴訟では60万円以下の請求しか争えないからです。

では、「いや、私は相手から慰謝料として60万円以下のお金を請求したいだけだから、費用がからない少額訴訟にしたい」という場合はどうでしょうか?

結論から言うと、「60万円以下の慰謝料を請求するため」に少額訴訟を起こすことは可能です。

ただし、相手方が事実関係を認めなかったり、損害賠償責任を負うことについて争う姿勢であった場合は、少額訴訟から通常訴訟への移行が申し立てられることになります。
そうなると、少額訴訟費用に加えて、通常訴訟の費用も掛かってしまいます。

騒音トラブルの裁判は通常訴訟に移行する可能性が高い主題ですので、はじめから通常訴訟制度を利用することをお勧めします。

少額訴訟の裁判費用

少額訴訟でかかる裁判費用は以下のものになります。

  • 収入印紙代
  • 予納郵便代

※弁護士を利用した場合以下の費用も発生します

  • 相談料
  • 着手金
  • 報酬金

それぞれの項目について詳しく解説します。

収入印紙代

訴状を提出する際に手数料を納める必要がありますが、これは収入印紙で支払います。
手数料は相手への訴額(請求金額)によって異なります。

以下の表をご覧ください。

仮に60万円の慰謝料を請求するのであれば印紙代は6,000円になります。

 

訴額(請求金額) 印紙代
10万まで 1000円
10万円から20万まで 2000円
20万円から30万円まで  3000円
30万円から40万円まで 4000円
40万円から50万円まで 5000円
50万円から60万円まで 6000円

 

予納郵便代

関係者に書類を送るために使う郵便代です。

この金額は、管轄の裁判所によって異なりますので訴えを提起する裁判所に事前に連絡を取って確認する必要があります。
関係者の人数にもよりますが、4千円前後が一般的です。

弁護士を利用しないですべて自分ひとりで少額訴訟を起こすのであれば、基本的にここまでの費用で済みます。

 

【弁護士を利用しない少額訴訟の裁判費用のシュミレーション】

では、具体的に例を挙げて裁判費用を計算してみましょう。
ここでは騒音に対して40万円の慰謝料を請求すると仮定します。

収入印紙代4,000円+予納郵便代4,000円=約8,000円の費用がかかると予測できます。

(前述のように関係者の人数や裁判所によって異なりますので、あくまでも予測です。)

さて、同じ少額訴訟であっても、弁護士を利用したい場合は次の追加の費用がかかります。

※注意:そもそも少額訴訟を選ぶ人は弁護士を利用することはあまりありません。
少額訴訟自体、費用をかけず短期で解決する制度だからです。

相談料

弁護士に正式依頼をする前の相談料金であり、金額は30分から1時間の相談で5,000円が相場です。
事務所によっては無料で相談を行っているところもあります。

着手金

着手金は弁護士に正式な依頼をした段階で発生し、訴額(請求金額)の5%~10%程度が着手金の相場です。
ただし、着手金が無料である弁護士事務所も存在します。

報酬金

報酬金は成功報酬となっており、弁護士事務所によって異なりますが、回収金額の10%~20%程度です。
回収金額がゼロであれば、報酬金を支払う必要はありません。

 

【弁護士を利用する少額訴訟の裁判費用のシュミレーション】

先ほどの例では、40万円の訴額(請求金額)での少額裁判にかかる費用を計算しました。

収入印紙代4,000円+予納郵便代4,000円=約8,000円(裁判所に支払う金額)

ここでは、弁護士に支払う費用を計算してみましょう。

相談料5,000円、着手金10%として40,000円、もし40万円全額が回収できたとしたら報酬金が15%の設定で60,000円。

つまり、弁護士費用は、計105,000円となります。

また、60万円の訴額(請求金額)の少額裁判を弁護士に依頼した場合、
相談料5,000円、着手金10%として60,000円、もし60万円全額が回収できたとしたら報酬金が15%の設定で90,000円

弁護士費用は、計155,000円となります。

※注意:なお、これ以外に弁護士に裁判代行等も依頼した場合、追加の費用が発生します。

まとめると、
少額訴訟で弁護士を依頼しない場合:

40万円の請求金額で裁判所に支払う費用は、計8,000円
60万円の請求金額で裁判所に支払う裁判費用は、計10,000円

少額訴訟で弁護士も依頼した場合:

40万円の請求で全額回収に成功したら裁判所と弁護士に支払う費用は
8,000円+105,000円=合計113,000円

60万円の請求で全額回収に成功したら裁判費用は
10,000円+155,000円=合計165,000円

通常訴訟の裁判費用

では、次に通常訴訟の費用について見ていきましょう。

通常訴訟で確実に勝ちたい場合、弁護士に依頼することになりますので、弁護士に支払う費用は必須と考えます。

つまり、最低でも以下の費用が発生します

  • 収入印紙代
  • 予納郵便代
  • 相談料
  • 着手金
  • 報酬金

それぞれに関して詳しく解説します。

収入印紙代

訴状を提出する際に納める手数料です。
通常訴訟の場合は訴額が60万円を越える可能性があるので、手数料の金額もそれに応じて上がりますが、100万で手数料10,000円、200万で手数料15,000円といったようにそれほど高額にはなりません。

手数料の額が100万円を超える場合は,現金で納付することもできます。

料金の詳細は裁判所の資料を参照してください。
手数料額早見表

仮に200万円を請求した場合、手数料は15,000円になります。

予納郵便代

関係者に裁判所から書類を送るために使う郵便代です。

少額訴訟で述べたように、管轄の裁判所によって異なりますので訴えを提起する裁判所に事前に連絡を取って確認する必要があります。関係者の人数にもよりますが、4千円前後が一般的です。

以上が裁判所への費用になります。

仮に200万円の慰謝料を請求したとすると、手数料15,000円、予納郵便代4,000円
計19,000円となります。

では次に弁護士に支払う金額を見ていきます。

※弁護士費用は現在自由化されているため、システムと料金は弁護士事務所によって異なります。
ここでは一般的な支払い法について解説します。

相談料

弁護士に正式依頼をする前の相談料金です。
少額訴訟の時に述べたように、30分から1時間の相談で5,000円が相場です。
事務所によっては無料相談を提供しているところもあります。

着手金

着手金は弁護士に正式な依頼をした段階で発生します。訴額(請求金額)の5%~10%程度が着手金の相場です。
ただし、着手金が無料である弁護士事務所も存在します。

報酬金

報酬金は成功報酬となっており、弁護士事務所によって異なりますが、回収金額の10%~20%程度となります。
成功報酬ですから、回収金額がゼロであれば、報酬金を支払う必要はありません。

【通常訴訟の裁判費用のシュミレーション】

通常訴訟で2,000,000円の訴額の場合、裁判所に支払う費用は、
計19,000円

200万円の訴額(請求金額)の裁判を弁護士に依頼した場合、
相談料5,000円、着手金10%として200,000円、裁判の結果として200万円全額を獲得でき報酬金が15%の設定であった場合、報酬金は300,000円。

弁護士費用は、計505,000円

つまり、裁判所と弁護士に支払う費用は
合計524,900円となります。

弁護士費用や裁判費用を相手に負担させることは可能?

さて、裁判をすることによって、たとえ勝訴したとしてもかなりの費用が発生することが分かりました。

しかし・・・そもそも裁判をしてまで解決しなくてはならなかった原因は相手にあります。
であれば、「相手方が裁判費用を負担するべきなのでは?」という疑問が生じたかもしれません。

実際に裁判を行って、勝訴した場合、弁護士費用などの裁判にかかった費用を被告に負担させることは可能なのでしょうか?

負けた方が勝った方の弁護士費用を負担する制度は「敗訴者負担」と呼ばれます。

ただ、現時点では、この「敗訴者負担」は、いくつかの例外を除いて、日本では実施されていません。

そもそも、訴訟というのは、実際に起こしてみなければ勝つか負けるかわからないものです。
いくら自分に理があったとしても、十分な証拠がそろっていなければ、裁判に勝つことはできません。

それなのに、「負けたら相手の弁護士費用まで負担しなければならない」という前提があったとしたら・・・多くの人は裁判という手段を取ることに二の足を踏むことでしょう。

これが、「敗訴者負担」が実践されていない理由です。

ですので、残念ながら、たとえ騒音裁判に勝訴したとしても、相手側に弁護士費用を含める裁判費用を負担させることはできません

まとめ

騒音の裁判にかかる費用には、

1.裁判所に支払う費用
2.弁護士に支払う費用
の2種類があります。

1の裁判所に支払う費用は、ケースバイケースではありますが、それほど高額なものにはなりません。

しかし、弁護士に支払う費用に関しては、裁判で何を解決したいのか?(騒音の差し止め、慰謝料)によって大きく変わってきます。

実際に裁判を起こす起こさないにかかわらず、まずは無料相談のできる弁護士を見つけて状況を話し、費用の件についてしっかり理解できるまで説明を受けるべきでしょう。