マンションのベランダ喫煙という迷惑行為に慰謝料の請求はできる?

マンションのベランダ喫煙という迷惑行為に対して慰謝料などの請求はできるのでしょうか?過去の裁判事例などをまとめました。

最近は公共の場でタバコを吸える場所が少なくなり、喫煙者は肩身の狭い思い環境になってきていますが、厚生労働省の「国民健康・栄養調査の結果」を見てみると以下のような結果になっています。

受動喫煙の機会は「飲食店」が最も高く4割超
・受動喫煙の機会を有する者の割合について場所別にみると、「飲食店」では42.4%と最も高く、次いで「遊技場」では37.3%、「路上」では31.7%。

引用元:厚生労働省ホームページ

さらに最近ではタバコの煙が少ない電子タバコも人気のようですが、まだまだ従来のタバコを愛用している人も見かけます。

愛煙家にとっては外だけでなく家庭内でもタバコを吸う場所が限られており、室内では台所の換気扇の下やベランダでの喫煙が常になっていますね。

しかし、このベランダ喫煙という行為が様々な近隣トラブルを引き起こしているいるのです。
どんなトラブルがあるのか、自分が被害を受けた場合はどのように対処するべきかなどについてまとめました。

マンション ベランダ喫煙で起こる近隣トラブルのケース

受動喫煙による健康被害はもちろんのこと、集合住宅の場合は両隣りや上階に住む人にとってベランダでいつも喫煙されると「洗濯物に臭いがつく」「窓を閉めていても煙の臭いが部屋の中までで入って来る」などのトラブル事例があります。

ベランダからだけでなくキッチンの換気扇の下で喫煙されることもありますが、タバコの煙は通気口や窓の隙間からも入って来ますのでタバコを吸わない人にとってはほんの少しのタバコの匂いでも気になることがあります。

また、部屋に入ってくる煙の受動喫煙により体調を崩したケースなどもあり、過去には裁判沙汰になった事例もあります。

マンション ベランダ喫煙に対する苦情はどう出せばよいのか?

マンションのベランダ喫煙に対して法律ではどのようになっているのでしょうか?基本的にマンションのベランダは「専用使用権がある共有部分」で禁煙とはされていません。

マンションの管理組合で「管理規約で共有部分の禁煙」を定めている所はあっても、ベランダは住人に専用使用権があるため、禁煙とはなりません。

しかし集合住宅で生活している以上、隣家や上階から喫煙による苦情が出た場合は管理規約違反に相当する場合もあります。例えば、マンションの管理会社が喫煙の苦情を受けたとしても、エレベーター内や入り口の共有部分に張り紙を貼るなどの呼びかけをする場合が殆どです。

それでも苦情が続くようであれば管理会社から喫煙している住人に直接注意されることもあるようですが、ベランダに専用使用権があるとして中々応じてもらえない事も多いようです。

基本的にはタバコの煙による苦情を出すにはまず管理会社に相談して、マンションの規定をもう一度確認した上で、どのような措置を取ってもらえるのか確認しましょう。

マンションなどには規定の中で「敷地内全面禁煙」としているところもあります。

マンション ベランダ喫煙が民事上不法行為となった裁判例

平成24年12月13日に名古屋地方裁判所でベランダでの喫煙に対して損害賠償命令だ出された事例があります。

70代女性が階下に済む60代に対して150万円の損害賠償金を求めました。階下に住む60代男性がベランダで吸うタバコの煙が原因でストレスを感じ帯状疱疹などの症状を発症したとして、女性は直接手紙や電話などでベランダ喫煙をやめるように訴えましたが、男性は喫煙を続け、女性が損害賠償を請求し、5万円の賠償請求の支払いを命じたという事例があります。

男性は「ベランダでの喫煙を禁じる規則はない」と反論していましたが、判決では「マンション内の他の住居者に与えた不利益の限度によっては制限すべき場合がある」また、再三の注意にも関わらずベランダでの喫煙を続けたことなどに対して不法行為になりうることが示された注目すべき判決が下されました。